母は私のサロンの会員番号1番のお客様です。
サロンをオープンすると伝えたときは、アーユルヴェーダなんて怪しい、どうせうまくいかないから。と反対されましたが今では一番のサポーターとなってくれて、いろんな手技の練習台にもなってくれています。
いつもは私のサロンに母が来てくれて施術を行うのですがコロナの関係で電車を乗り継いでうちまで来るのは大変なので私が実家に行って行うことにしました。
実家ではベッドを置くちょうど良いスペースがないので4年前に亡くなった父やご先祖様のいる仏壇の前にセッティングすることにしました。
ベッドは私が初めて購入した練習用のもので、温熱シートも遠赤外線ではなくただの電気で熱くなるパッドですが、母は喜んでくれました。
母は腰痛があり、膝から下も痺れ気味なのでとにかく温まるように、そして痛みが取れるようにと流すようにトリートメントをしました。
「久しぶりに私のヌードが見れてお父さん喜んでるかしら(笑)」と母。
トリートメント中、不思議なことが起こりました。
不意に母の足元の方から「オレぁ、今いっちばんいいところにいるからさ」と父の声、というか気配を感じたのです。
そして、窓際に年中吊るしたままの風鈴がチリリン・・・と。
私は嬉しくなりました。
あぁ、お父さんはあっちの世界で、痛みも苦しみもなく楽しく過ごしているのね。そして母に、自分のことを楽しめ!と言っているかのように感じました。
母への施術は私だけでなく父の力も借りて行ったような感覚がありました。
本当に今思うと不思議な感じがするのですが、あの時はそれが普通な感じだったのです。
サロンではサロンルームに飾っているお釈迦様にいつも私からお願いをして施術のサポートをしてもらってるのですが、昨日は父が自ら何かしらしてくれてる感じがしました。なんせ不器用な人だったので、手技の手伝いではなく、「痛いの、痛いの、飛んで行けー」のようなそんなパワーを吹き込んでくれたような、そんな感じです。
嘘のような本当の話で、母はトリートメント中は一通りおしゃべりした後、爆睡、トリートメントの後もとても調子が良くて、毎日夕方から台所に立つのが辛いほど腰が痛くなるのが昨日はそんなことも忘れて張り切ってお料理をしてくれました。
なんてことない、我が家での一コマかもしれませんが、私にはとても嬉しい時間でした。あの世の父も、この世の母も元気なのが一番です。
アーユルヴェーダはオイルトリートメントだけではありません。インド哲学に基づく死生観についても学びを深めます。
生まれれば必ず死が訪れ、死んだ後はまた生を得る・・・父はこの世から去ったとしても、決して終わってはいないのです。それを感じたひとときでした。
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